「今年はモントルー・ジャズ・フェスティバルに行くゾ!」と早くから決めていたので、同ジャズ・フェスのオフィシャル・サイトは、こまめに読んでいました。
しかし、メイン・ホールでの夜のコンサートは全て前売制なので、この制度も何となくイヤだったし(私は基本的にふらっと入ってふらっと聴くのが好きなのです)、個人的に「どうしてもモントルーで聴きたい!」と思わせる出演者もいなかったので、取り合えずホールでコンサートを聴くのは止めにしました。
「ホールでのコンサートを聴かないとは、アンタ、何のためにモントルーに行くの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、モントルー・ジャズ・フェスティバルは夜のコンサートに行かなくても、それはそれは楽しいイヴェントがめじろ押しなのです。
野外特設会場での無料のコンサート、ジャズ・トレイン、レマン湖を遊覧しながらライブを聴くというジャズ・ボート、そしてなんと言っても心ウキウキ楽しいのが、湖畔に沿って露店が約1キロにも渡って立ち並ぶ、ストリートのぶらぶら歩きです。
冒頭にも書いた通り、今回の私の目的はジャズを聴くのではなくイヴェントを見て回るゾ!という事でしたので、それらに参加するだけでも充分でした。
実際、モントルーというところ、ホールなどという暗いハコの中で音楽を聴くというより、これらのアクティビリティをビール片手にあっちこっち渡り歩くというのが似合っています。
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ジャズ・トレイン、ジャズ・ボートは基本的に前売制ですが、人数の空きがあれば当日出発前でも大丈夫なようです。
心配な方は前もって、インターネットのサイトで申し込んでおけば良いでしょう。(ジャズ以外にもいろいろなジャンルのライブが聴けます)
野外での無料コンサートは芝生の上に寝転がって聴くと最高の気分です。
ストリートには「よくぞこれほどのお店が集まったものだなあ」とびっくりするくらいの数の露店がひしめいています。お土産さん、生活雑貨屋さん、刺青屋さん、食べ物屋さん、ジュース屋さん、絵描き屋さん、その他インディーズから出したと思われるCDを目の前で実演する実態不明のミュージシャン達.....。
こういったそれはそれは賑やかなストリートを冷やかしながらそぞろ歩くというのは、なんか子供の頃の盆踊り大会の夜店を思い起こしたりして、楽しい気分になります。
それになんといってもモントルーはレマン湖が素晴らしい!
私が住んでいる青森県にも「奥入瀬渓流・十和田湖」という有名な観光地があり、これもまた素晴らしいところなのですが、レマン湖にかなわない点がひとつあります。
それは湖水の表情の豊かさです。
レマン湖の湖面は日中には群青からエメラルド色へ、さらに夕暮れ時には黄金色へと様々に表情を変え、湖面が返す陽光の美しさは比べるものがない程です。
岸辺では小麦色に焼けたヨーロッパのカワイコちゃん達が盛んに湖水浴をし、モーターボートが地平線に沿って長く白い波を引いていく光景を眺めていると、思わずジャズ・フェスの喧騒を忘れて時間が一瞬止まったようにも感じられます。
このレマン湖を眺めていると、ヨーロッパの人たちがなぜ、かくも長い間このモントルーを愛したか、よく分かるような気がします。
このようにモントルー・ジャズ・フェスティバルは時間に追われながら、せくせくと回るというのには合っていません。
また夜のメイン・ホール会場でのコンサートだけを聴いて帰るというのも、もったいない話です。
ここはたっぷりとスケジュールも時間を取り、ビール片手にレマンを眺めながらあっちこっちで開かれているイヴェントを見て歩くという過ごし方がベターだと思いますよ。
なにせここはヨーロッパ屈指のリゾート地、大らかに自然を楽しみたいものです。
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